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経結膜脱脂術や脂肪注入の腫れや内出血などの「ダウンタイム」を左右するのは?

2022.08.29

経結膜脱脂術のあとに目立ちやすい腫れと内出血ですが、できるだけ減らすにはどうすればいいでしょうか。

今回は、手術する側(執刀医)ができる腫れ・内出血対策についてお話しします。

 

手術中にできる腫れ・内出血対策は次の2つです。

 

  • ①出血したら止血する
  • ②そもそも腫れさせない、出血させない

 

えっ、これだけ?と思われましたか。

そうです、これだけなんです。

 

手術中の腫れ、内出血対策は非常にシンプルです。

特別な器械や薬剤を使えば予防できるわけではありません。

そしてシンプルなだけに外科医の技術が問われます。

100%技術勝負です。

 

  • ①出血したら止血する

 

これは当たり前のことと思われるかもしれませんが、意外にこれができていない外科医がたくさんいます。

それは下のような理由があります。

 

・技術が未熟で、止血したくても出血源がどこかわからない

・手術に夢中で出血にきづかない

・性格が雑で出血を気にしない

・早く手術を終わらせるためにスピードだけを重視している

 

上の2つは技術と経験が不足している場合です。

 

3つ目はもともとの性格ですが、意外にこういう外科医がけっこういます。

よく言えば大胆です。性格の問題なので矯正が難しいです。

 

最後の4つ目は手術には慣れていますが、腫れや内出血を抑えることよりも優先すること(手術件数、売上など)があるため、早く手術を終わらせようとします。

ある程度のスピードは腫れを抑えるために有効ですが、必要な手間を省くわけにはいきません。

 

  • ②そもそも腫れさせない、出血させない

 

こちらの方が①よりも技術と経験が必要です。

組織の損傷を最小限にするため最短経路で眼窩脂肪に到達し、出血を予防しながら脂肪を切除します。

さらに手術終了後に運動や血圧変動のため再出血(止血した血管から再度出血すること)することがあるので、これも想定して手術中に止血を入念に行っておきます。

それでも内出血してくることもあります。

 

腫れと出血を先回りして抑えていくので、技術だけでなく経験も必要になります。

これに関してはもともと手外科で積んだトレーニングが非常に役立っていると感じます。

 

 

まとめ

 

・腫れ、内出血を抑える方法に近道はありません

・地道に、丁寧に手術をすることだけが手術後のダウンタイムを軽減させます

・ごまかしのない技術と経験が必要です

・できる限りの努力を尽くしても内出血が目立つときもあります。申し訳ありません・・。

 

MIKIクリニック豊中駅前

院長 池田幹則