とにかく手術をよくしていました。特に拡大鏡を使用して行うような細かい手術が好きでした。手術では、技術や手先の器用さが必要なのはもちろん、解剖学の知識、最新の手術方法のアップデート、術前計画、手術中の想定外の事態へのとっさの対応など、自分の持てるものすべてで向かい合う点に喜びを感じていました。そのうえでさらに患者さま（お客さま）に喜んでもらえた時には、本当に外科医は天職だなと感じていました。

私がゴール設定を重視している理由は２つあります。一つ目は、専門家としての私と患者さまの経験・情報量に大きな差があることです。再手術を除いて手術を受けられる方は初めての経験です。もちろん解剖学など専門的な知識にも大きな違いがあります。クマの状態を把握して、手術でどういった仕上がりになるかが私にはある程度予想できますが、患者さまはそうではないですよね。そこをしっかり説明して手術後の状態を事前に共有する、そうすることで手術を受けるかも含めてはじめて正しく判断していただけると思っています。２点目は、私と患者様の美しさの基準、目標が違う可能性があることです。私は自然で健康的な美しさを基準に手術、診療しています。お話のなかで、患者様の望むものをしっかりと把握し、私の目標と少し違うようであれば、ご希望に沿えるよう工夫したり、調整を行います。そのためにしっかりとゴール設定を共有する必要があります。

クマ取り手術の技術的なポイントはいくつかあります。
・組織を愛護的に扱い、損傷を最小限にする
・止血をしっかりと行い、内出血をコントロールする
・過不足なく適切な量の脂肪を切除する
・生着率を最大化する方法で脂肪注入を行う

これらをしっかりと意識して行うことが当院の特徴です。

当院には、いわゆる「美容クリニック」らしい派手さやきらびやかさはありません。その代わりに医学的な根拠にもとづいて、実直に有効な治療を行うことを大事にしています。ケガや病気をしたときに病院にかかるような気持ちで、安心してクマのお悩みをご相談ください。