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当院の経結膜脱脂術の治療方針

2024.09.06

経結膜脱脂術、いわゆる脱脂は非常にいい手術方法です。

ダウンタイムは少なく、痛みも軽度で、リスクも少ないです。

歴史的にも100年以上前から存在する手術方法なので、長期的な安全性も高いと考えられます。

 

その一方で欠点もあります。

ボリュームを減らすだけの手術なので、目の下全体が暗くなりやすいのです。

これはふくらみによって高さがあり上方からの光が当たっていた部位が、脱脂によって低くなり上方からの光が当たりにくくなるために起こります。

手術前にあった目の下のふくらみの直下の影(黒クマ)が、手術後は目の下全体に散るイメージです。

これはホホが低いタイプ(マイナスベクターや出目とも呼ばれます)で顕著です。

 

逆に、ホホが高く、皮膚の余剰がなければ脱脂だけで最高の仕上がりになりますので、脂肪注入や裏ハムラ、表ハムラなどする必要はありません。

 

しかし日本人の場合、骨格的にホホが低い方が多く、さらに年齢とともにホホは痩せて低くなる傾向があります。

 

今回の症例写真の方もホホが低いタイプで、脂肪注入や裏ハムラ法も推奨しましたが、目の下全体が少し暗くなることを了承で脱脂のみ行いました。

 

術前後ともにノーライト、目の下ノーメイクで、脱脂単独のリアルな変化です。

 

不自然なふくらみはなくなり、自然な目元に戻っています。

皮膚のハリは保たれていましたので、シワは増えていません。

写真に残せていないのですが、笑った時のふくらみの悪化もなくなりました。

ただ正面では目の下全体がわずかに暗くなっています。

 

当院では目元をよく診察して各治療法のメリット、デメリット、向き不向きをきっちり説明しています。

その上で最終的な治療方法の選択はご本人にお任せしています。

正しい判断ができるように当院でアップしている症例写真は、脱脂だけでもノーライト、目の下ノーメイクでお出ししています。

またこの撮影条件の設定は、嘘偽りのない術前と完成後の写真を見返すことで、自分の手術技術を向上させるためでもあります。

 

たとえ仕上がりの面で多少不向きであってもご本人が納得のうえで脱脂単独での治療を選択された場合には、できるかぎり暗くならないよう、シワが増えないよう丁寧に手術を行っています。

 

脱脂単独をご希望の方も遠慮なくおっしゃってください。