皮膚を切るか切らないかは多くの患者さまが悩むポイントです。
もちろん皮膚を切らずに改善すればいいのですが、皮膚余剰が強い場合には皮膚の切開・切除は治療の選択肢になります。
今回は、皮膚を切らない治療が適応できる限界に近い症例です。
60代の方で、目の下のふくらみが20年前からありました。
このように年齢とともに、ふくらみの期間が非常に長い場合、ふくらみ部分の皮膚が引き伸ばされてしまっており、脱脂と脂肪注入や裏ハムラ法での改善に限界があります。
この方も皮膚の切除(表ハムラ法、除皺術)が本来は向いているのですが、強い希望があり脱脂+脂肪注入を行いました。
手術でとくに注意した点は、できるだけ眼窩脂肪は温存すること、脂肪注入はしっかりと行うことでした。
なぜなら年齢とやせ型であることから脂肪の生着率は低いことが予想され、それをカバーするためです。
手術後3か月で目の下のふくらみ、影クマは改善し喜んでいただけました。
ただし、目の下でふくらんでいた部分の皮膚のもたつきは残っています。これが皮膚を切除しない手術の限界になります。