くま取り手術後のダウンタイムには、内出血と腫れがあります。
内出血はとくに青色として出ると、いわゆるアオタンになり、目立ちます。
アオタンが出ると、消えるのに2週間程度かかります。
多くのかたが気にするこの内出血を減らせるように、手術では色々な工夫、こまめな止血操作を行っています。
それでも一部の方にはアオタンが出てしまいます。
この確率をさらに減らすために、オプションとして、手術時に投与するトランサミン(トラネキサム酸)注射を開始しました。
投与方法は静脈内投与になります。
医学的に意味があり、有効な治療かを検討したうえで採用を決めました。
その根拠は次の通りで、いずれも海外の医学論文になります。
・トラネキサム酸は、帝王切開と心臓外科手術での出血を低減させるエビデンス(医学的根拠)はすでに出ている。
・2022年に「The New England Journal of Medicine」という医学雑誌(医学系で最高峰のジャーナル)で、心臓外科手術以外での外科手術でも出血リスクを改善させる報告があった。
・短期的なトラネキサム酸投与による副作用(理論的には血栓症のリスクが上がる)はほぼないというエビデンスが蓄積されている。