脂肪注入の一つとしてナノファット(nano fat)があります。
ナノファットは通常注入する脂肪よりもさらに脂肪を細かく砕いて作成するゲル状の脂肪です。
このナノファット、医学的に2つの種類があります。
一つは脂肪を徹底的に細かく砕くことで、脂肪細胞をすべて壊し、脂肪幹細胞だけを残すナノファットです。
そのため注入する成分は、脂肪細胞が壊れて出てくる油と、生き残っている脂肪幹細胞です。
油には医学的効果はないため、脂肪幹細胞による効果になります。
この脂肪幹細胞による効果として、動物実験において、脂肪幹細胞は真皮に働きかけて真皮を分厚くする作用が確認されています。そのため皮膚の小ジワや色クマの改善効果があります。
ただ脂肪幹細胞は消失してしまうので、この真皮に働きかける効果は一時的なものです。
もう一つのナノファットは、脂肪細胞が壊れる直前まで細かく砕き、生きた脂肪細胞を残す方法です。
そのため成分としては、生きた脂肪細胞と脂肪幹細胞になります。
脂肪幹細胞による効果とともに、脂肪細胞による効果があります。
脂肪細胞の効果は、脂肪細胞の直接的な定着によって皮膚が厚くなることです。そのため皮膚の小ジワや色クマの改善効果が期待できます。脂肪細胞の定着による効果ですので長期間続くことになります。
当院ではこの長期的な効果の持続を重視して、生きた脂肪細胞も残る後者の種類のナノファットを行っています。