脱脂や脂肪注入を行うクマ取りの症例写真は色々なこだわりを持ってお出ししているのですが、その一つに「ノーライト」があります。
正確には光源は天井光だけにして、前方からライトは当てずに撮影しているということです。
なぜクマ取りでは、前方からのライトを使用してはいけないのでしょうか。
適切な症例写真の撮影条件というのは、手術や施術ごとに異なります。
たとえば、二重術であれば前方からライトをあてて撮影してOKです。
二重の症例写真を提示する目的は、二重のラインを確認してもらうためなので、むしろライトを当てた方がはっきりします。
ではクマ取り手術はどうか。
クマ取り手術である、経結膜脱脂術で治療できるのは影(黒)クマです。そして併用することの多い脂肪注入も、青クマ、茶クマにある程度の効果はありますが、メインの治療対象は影クマになります。
そのため、くま取り手術の症例写真は、おもに影クマの改善度を見ていただくものになります。
影(黒)クマは、その名の通り目の下のふくらみなどによる高低差による影のことです。
影なので、前方からライトを当てれば消えてしまいます。
これがクマ取り症例写真で前方からライトを当ててはいけない理由です。当たり前といえば当たり前ですね。
このためクマ取り症例を前方ライトで撮影すると、肝心な影クマが評価不能になるということです。
手術後だけライトを当てるのは論外ですが、手術前も手術後も前方ライトはだめです。
ただ、クマ手術を専門的に行っていない医師がライトつきの症例写真をたまに上げてしまうのは仕方ないと思います。
悪気があるわけではなく、おそらく深く考えていないだけだと思います。
前方ライトつきの症例写真を見分けるのは簡単です。
黒目が光っているかを見るだけです。黒目にサークル状や棒状など何かしらの光があればライトありです。
前方ライトなしでも、目を開く力が強い方では、黒目の上縁に天井光が反射して小さく見えることはありますのでご注意ください。