目の下のふくらみ・たるみに対する治療で、一番シンプルなのが経結膜脱脂術、いわゆる脱脂です。
ふくらみの原因になっている眼窩脂肪を皮膚を切らずに、結膜側から切除する手術です。
手術時間が短い、ダウンタイムが軽い、費用が安いなどメリットも多くある手術方法です。
その一方で、脱脂を受けて後悔される場合もあります。
今回は、脱脂だけを受けた場合にありがちな後悔の内容をまとめました。
①「目の下がくぼんだ」
眼窩脂肪自体は必要なもので、目の下のラインを構成する一つの要素です。
切除量が多すぎるとくぼんでしまいます。そのため切除量をコントロールし適切に残す必要があります。
一度くぼんでしまうと治療はなかなか難しいのですが、脂肪注入である程度改善させることができます。
②「シワが増えた」
脱脂により眼窩脂肪を切除することで、ボリュームが減少し、相対的に皮膚が余ります。この時に年齢などによる皮膚のハリの低下があると目の下にシワが増えます。
涙袋の直下にシワが増える場合は目立ちませんし、また年齢相応のシワの増え方であればあまり気にならない方も多いです。
ただ40代以下の方でシワが増えるとかなり目立つこともあります。そのため手術前に皮膚のハリが低下していたり、目の下のふくらみが大きい場合には脱脂後のシワの増加には注意が必要です。
こういったことが術前に予想される場合には、脂肪注入の併用、表ハムラ法(皮膚切除)の選択などが有効です。
もうすでに脱脂だけを受けてシワが増えてしまった場合には、外用薬や脂肪注入である程度対応することが可能です。ただし大きく改善させるには除皺術(余剰皮膚切除)が必要になります。
③「目の下が暗くなった」
これが最近急増している後悔の内容です。「目の下がくぼんだ」と同じと認識されることが多いのですが、私は別のものと考えています。
目の下のくぼみは過剰な脱脂で発生しますが、目の下の暗さはくぼみがなくても発生します。
眼窩脂肪の切除量が適切でも、茶クマ、青クマがあったり、ホホが低いと暗くなります。暗いと、確かにくぼんで見えるのですが、実際にはくぼんでいるわけではありません。
これは脱脂を正しく行っても発生しますので、手術方法の選択が間違いだったことになります。
本来なら脂肪注入を併用する必要があったり、そもそも手術が向いていなかった可能性があります。
もうすでに脱脂だけを受けて暗くなっている場合の対処方法ですが、ホホが低いために暗く見えている場合には脂肪注入で大きく改善します。
また青くまも脂肪注入である程度改善します。
茶クマの場合には手術での治療は困難で、ハイドロキノンの外用が選択肢になりますが効果は限定的です。
脱脂だけでの治療を希望されている方はもちろん、他院での脱脂後に上のようなお悩みをお持ちの方も、お気軽に当院にご相談ください。まずはきっちりと診察いたします。