目の下のたるみの手術治療は、大きく2つに分かれます。皮膚を切るか、切らないかです。
多くの方もここで悩まれます。
皮膚を切る治療は表ハムラ法、皮膚を切らない治療は経結膜脱脂術、脂肪注入、裏ハムラ法です。
表ハムラ法は皮膚を切除することで、皮膚の余剰を直接解消できます。
経結膜脱脂術、裏ハムラ法は直接皮膚の余剰を改善させることはできませんが、脂肪注入を併用することである程度はカバーすることができます。
皮膚の余剰が強く出ると、シワの出現や皮膚のたるみが残ることになります。
診察では、皮膚余剰に対して、皮膚を切らないでも対応できそうか、皮膚を切る必要があるかを判断します。
問診(いつからふくらみがあるか)、視診(ふくらみの大きさ)、触診(皮膚のハリ)を基に皮膚の余剰を診断し、本人の希望を踏まえて、皮膚を切るべきかの判断を行います。
ただ実際には、完璧にシワの出現を予想することは困難なので、この判断には多分にグレーゾーンが存在します。
今回の症例も診察時に皮膚を切るべきか悩んだ症例です。
年齢は50代、右はふくらみがある程度大きく、ふくらみの期間も7,8年と長めでした。
問診、視診、触診から右は皮膚切除をしなければシワが出ると判断しました。
ご本人に説明したところ、シワはある程度出てもいい、皮膚は切りたくないとのことで脱脂と脂肪注入を行いました。
脱脂は最小限とし、脂肪注入で脱脂分のボリュームロスをカバーしました。
術後3か月で、幸い私の予想に反してほとんどシワは出てきませんでした。
このように皮膚余剰、シワの出方の判断、予想は経験を積んでも非常に難しいです。