PRP療法

PRP療法

PRP療法は、自分自身の血液から成長因子を抽出し、それを利用して組織の再生を促す治療方法です。成長因子は細胞の修復や再生を助ける物質であり、この治療法は、美容分野だけでなく、スポーツ医学や整形外科の領域でも広く応用されています。

 

例えば、スポーツ外傷や変形性関節症の治療にも効果が認められており、非常に安全性の高い治療法です。またPRP療法は、自己血液を使用するため、アレルギー反応や感染症のリスクが極めて低いことが特徴です。

 

PRP療法では、まず、患者様から少量の血液を採取します。次に、その血液を専用の容器に入れ、遠心分離機を使用して、成長因子を豊富に含む血漿成分を濃縮・抽出します。

 

この抽出したPRP(Platelet Rich Plasma:多血小板血漿)を注入脂肪に追加したり、治療部位に注射することで、細胞の修復や再生が促進されます。

PRP療法の効果

脂肪注入の生着率向上

脂肪注入では、注入した脂肪のどれだけの割合が生着するかに個人差があり、生着しなかった脂肪細胞は吸収されます。脂肪注入では注入した脂肪が定着することが非常に重要であり、この生着率を向上させるためにPRP療法が利用されることが増えています。

 

PRPには、細胞の活性化を促進する成長因子が豊富に含まれており、これが注入された脂肪細胞とその周囲環境に働きかけることで、脂肪の生着率が向上します。過去の研究において、PRPを注入脂肪に添加することで脂肪の生着率が10〜20%程度改善したとの報告があります。この報告はメタアナリシスというエビデンスレベルの高い研究です。

 

ダウンタイムの軽減

手術や脂肪注入後には、炎症とそれに伴う腫れが生じます。PRPには、炎症反応を抑える効果があり、手術後や脂肪注入後の回復を助け、ダウンタイムを軽減することができます。

PRPに含まれる成長因子やサイトカインが、過剰な炎症を抑制し、腫れや痛みを和らげることができます。これにより、仕事や家庭生活で出る支障を軽減することが期待できます。

 

小じわ、たるみの改善

PRP療法は、肌の若返りにも効果的です。特に、目の下の小じわや顔のたるみに対して効果が期待できます。PRPを直接肌に注射することで、成長因子が真皮層に働きかけ、コラーゲンやエラスチンの生成を促進します。これにより、肌の弾力性やハリが向上し、年齢とともに気になる小じわやたるみが目立たなくなります。

 

また、PRPは肌のターンオーバーを正常化し、肌の質感を改善するため、くすみや乾燥といった肌トラブルにも効果があります。これらの改善により、肌が若々しく、ふっくらとした印象に変わることが期待できます。

PRP療法の安全性

PRP療法の最も大きなメリットは、自己血液を使用する点です。そのため、アレルギー反応や感染症のリスクが極めて低く、非常に安全に治療を受けることができます。自己血液を使用することで、外部からの異物が体内に入ることがなく、体への負担が軽減されます。

 

また、当院ではPRP療法において、人工的な成長因子や他人の血液成分を一切使用していません。フィブラストスプレー(FGF:線維芽細胞成長因子)は使用せず、患者様自身の血液から抽出した成分のみを使用します。このため、過剰なふくらみやしこりができるリスクが非常に低く、安全性が高い治療方法です。